オリバレス公園設計支援活動(コロンビアマニサレス市)
Colombia Olivares Park












マニサレス市は、南アメリカ大陸のコロンビア共和国西部中央山脈(Cordillera Central)に位置し、カルダス(Caldas)県の主要都市である。多くの貧困層が存在するコロンビアでは、良質な生活環境の確保を目標とする国家的都市再開発プロジェクト「マクロ・プロジェクト」が推進され、2009年7月にマニサレス市の「サンホセ地区」が「貧困に伴う治安の悪さや生活水準の問題を抱える地区」として位置づけられ、上記プロジェクトの一つとして採択された。サンホセ・プロジェクトは、人々が生活するには危険性の高い急斜面区域の大規模開発と土地の開拓といった総合的な都市基盤整備プロセスを含み、危険区域に不法居住している住民に移住を促し、またそうした危険区域に再定住しないよう、移住先の確保と雇用対策が求められた。
マクロ・プロジェクト「サンホセ」は139ブロック3,197世帯の住宅、3.7kmの道路、12,476m2のスポーツ公園、健康分野の部局、警察地区、オリバレス公園(国際協力を得ながら既存の動植物を生かしたエコパークの新設)、住宅などのリフォームや建設を進める計画であった。オリバレス公園はその大部分が急斜面であるにもかかわらず、住宅が密集して張り付いており、そこに暮らす住民の安全で良質な代替住居の新築ならびに良好な農園・観光都市を目指す長期的展望を見据えた公園の設計提案が求められた。
本プロジェクトを進めるにあたり、コロンビア政府はJICAに対してシニアボランティアの派遣を要請、そのサポート役として当研究室柴田らが設計支援に携わることとなった。2011~2013年の3年間にわたり、公園整備に向けた地区住民へのヒアリング、全体エリアならびにエリアごとの景観・街区設計に対するアドバイザーを担当し、シニアボランティアへの指導・技術支援やマニサレス市都市計画課、設計業務に当たった都市再生機構ERUMに対する具体的なデザイン提案と指導に従事した。
